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「無理だから電話したのになぁ。」
春風は溜め息をつくと目を閉じた。
「…今、何時?」
「1時39分。」
「…暇。裕一、何か話せよ。」
「んー、じゃあ取り敢えず天気の話でもしようか。空見えないけどね。」
「…悪い。やっぱ喋らなくていいわ。」
「それは有り難いよ。」
春風の部屋で待っている5人は暇を持て余し気味である。
勇次は携帯いじり。陽平は筋トレを再開し、俊はその観察。富谷はトランプタワーの建設に励み、それを高杉が完成間近に崩す。
春風から電話があった時には慌てたが、今はまた各自暇つぶしに勤しんでいた。
「俊、帰ったら何する?」
「仕事じゃねぇの? 」
「そうじゃなくて~。こう何て言うか楽しい事♪」
「あれ?陽平は仕事楽しくないのかい? 」
「そっそんな事ないよ、祐ちゃん!楽しいよ!」
「そっか、それは良かったよ。帰ったら倍の量にしてあげるからね。」
「……。」
「ドンマイ。」
「俊ー!!助けてぇ!!」
「無理。」
陽平は暗い影を背負い体育座りに入る。俊は同情の眼差しをむけた。
「やっべ、マッサージチェアが1万だってよ。やっべぇなコレ…買っちゃおうかなぁコレ…。」
「先輩の金なんだからいいんじゃないっスか?」
「だよなぁ~!!良い事言うな富谷!!
俺、理事長だもんな。…取り敢えず学園の予算から備品購入として一万引いとくか。」
「…それはやめた方がいいんじゃないスか?命が大事なら。」
富谷の横で高杉が微笑んでいる。
どす黒いオーラは幻覚ではないだろう。
「…なっ何てな!!冗談だっつの!!別にマッサージなんて必要ないし!?むしろ俺が学園の癒しにならなきゃだし!?」
「先輩、何で泣きそうになってんスか。」
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