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「チョコチップメロンパンに牛乳は俺のジャスティス!」
裕太がメロンパンと牛乳を交互に口に含みながら叫んでいる。
俺の弁当は自分で作っているため特に感想はない。
楓の弁当は箱が黄色く蓋と箸、箸入れにはニワトリとひよこが描かれている小さな二段のやつだ。
中身もプチトマトとミートボールと小さなおかずばかりだが配色はバランスが良い。
「俺も愛妻弁当食いてー!」
突然裕太が楓の弁当箱を見ながら叫び始めた。
「このリア充め、べ、別に悔しくなんかないんだからね!嫁なんか5人もいるんだからぁ!」
誰から見ても悔しそうな顔をして未だに弁当箱を見つめる裕太を俺と楓は冷めた視線を送る。
これ以上叫ばれると面倒なので話を振ることにした。
「なぁ楓、紅葉と付き合ってどれくらいになるんだ?」
すると楓は満面の笑みで
「えへへ、来月で3年だよぉ!」
「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」
輪をかけてうざくなった。
涙を流しながらorzのポーズを取る裕太とデレデレした笑みを浮かべる楓、無表情で弁当を食べる雪を傍から見ると普通には思えない。
たまたま今日は一人欠いているが彼らにとっては日常の風景である。
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