山乃 雪の日常

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体育は男女混合バレーで何事も無く終わった。 六限目の授業を終え今はSHR(ショートホームルーム)、簡単に言えば帰りの会だ。 がやがやと騒がしかった教室も若林が入って来ると静かになる。若林が明日の連絡事項を話始めるなか、俺は帰りの支度をしながら話を聞く。 「最近下校中に刃物で斬りつけてくる通り魔と遭遇する事件が増えています。みなさんも気をつけてください」 通り魔に出逢わないようにするためには真っ直ぐ帰るしかないな。 などと考えていると 「ねぇねぇ、狭山君と神田さんの方見て。ラブコメ全開だよ!」 狭山が好きなのかラブコメが好きなのかわけのわからんこいつの発言。 とりあえず狭山を見てみる。 「大丈夫、通り魔と出逢っても俺が助けてやる!」 と言いながら神田の頭を手櫛の要領で撫でる狭山。 「武ぅ……」 目をうっとりさせ狭山を上目遣いで見ている。 ちなみに武とは狭山の名前だ。 「わ、私の事も守ってください!」 神田とは逆の席に座る海上(うながみ)が狭山の背中に抱きつきながら嘆いている。 「当たり前だろ!だから抱きつくなっ!」 狭山の顔が赤くなっているのが遠目でもわかる。 「海上さんおっぱい大きいからね。狭山君が照れるのも仕方ないよ。 いい感じの修羅場になりそうだよ!」 「胸と言え」 目を輝かせ若林の話に耳も傾けず狭山達を見続ける楓に言った。 まだ若林が話しているので視線をもとに戻そうとすると 「武のばかぁ!」 と言いながら狭山を叩く神田が視界に入った。 「あれは嫉妬だね、じぇらしーですよじぇらしー!」 解説を頼んでもいないのに楓は嬉しそうに話しかけてくる。 こうも嬉しそうだと無下にはできなくなるな。 ―――――――― ――――― ――― ―…
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