山乃 雪の日常

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「じゃあ、僕と紅葉は向こうだからここでお別れだね」 4人で下校しているといつもの十字路に指しかかり楓と紅葉がこちらに向かって言った。 「あぁ。二人とも気をつけるんだぞ、じゃあな」 「ノシ」 「さようなら雪先輩、裕太先輩」 裕太も別の道なのでここではお互いが別々になる。 俺は晩御飯のおかずを鮭のムニエルにしようか山菜パスタにするか迷っていると不穏な気配を感じた。 今日の晩御飯は凝ったものに出来そうも無いと軽く愚痴をこぼしながら学校の方へ歩き出す。 学校は既にほとんどの生徒が下校しており静かであったが職員室の明かりはまだ点いていた。 俺はかばんを下駄箱に置き体育館倉庫と体育館の裏手へ行く。 辺りは学校に着いたとき綺麗な夕焼けであったが今は星が見えるほど暗くなっていた。 雪は先ほどからある一点を睨み付けながら動かない。 雪がこの場所に着いてから30分が過ぎようとした時バスケットボール程の黒い影が現れ動き始めた。 「マ……ニオイ…スル…。」 「やって出てきたが陰気野郎。無駄に時間を喰わせるな」 「オマエ…ニンゲン…チガウ。オマエカラ…マノニオイ……」 「ちゃんと喋ろよ真っ黒野郎」 雪が睨め付けていた黒い影は少しずつ大きくなり雪と同じ大きさになった。 「カラダ……カラダ…ホシイ…」 黒い影は不気味に蠢き(うごめ)ブツブツと何かを囁いている。 .
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