山乃 雪の日常

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学校生活にほとんどの奴が慣れてきた6月上旬、窓から見える海を眺めている少年がいる。 彼の肌は白く、何一ついじっていない長めの黒髪で目は鋭く身長は175cm位の身体はしっかりしている。 ここは雪美市で海之上(うみのうえ)高等学校2-1組の教室だ。 「ゆーきっ!何黄昏てるの?まさか好きな人がっ?!誰、誰が好きなの?YOU言っちゃいなよ!」 「やかましい、あほが」 俺の名前は山乃 雪(やまのゆき)。察していると思うが海之上高校2-1組だ。 そしてこの煩いのは数少ない友達の和波 楓(わなみかえで)。 栗色のショートカットに大きくいつも輝きのある目。 眉は細く睫毛は何も付けていないのに長く頬は健康そうな桃色。 そして本人も気にしている152cm(本人曰く朝測れば155cmらしい)という低身長。 着ている物は学ランである。 たまたま最初の席は出席番号順で後ろの楓が話し掛けてくれ、そのまま気が合い友達になった。 俺も最初は名前と容姿からなんで女なのに学ランを着ているか聞いてしまった。 楓も悪戯に禁測事項です、と立てた人指し指を口に付けながらウインクしたから女だと信じていた。 とても男の声には聴こえなかった。
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