山乃 雪の日常

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「今日の体育は何だろうね?」 「外だったら暑いから中がいいな」 「ゆっきーは外だとかなり動きが鈍くなるもんね」 朝の他愛ない会話をしていると教室には生徒が集まり始めた。 チャイムが鳴り皆が席に座るなか空席が1つある。 しかし去年新任したばかりの若い教師、若林が入って来た。 「みんなおはようございます。今日も暑いけど頑張りましょう!」 若く顔も良いせいか女子の間では人気である。 若林が出席を取り始めると一人の生徒が入って来た。 「ギリギリセーフ!」 と叫びながら教壇に近いドアを勢いよく開けた。 「遅刻ですよ、狭山君。」 狭山と呼ばれた男子生徒はがっかりした表情で教室の中央にある席に着いた。 隣にいた女子二人に何やら言われてるが生憎俺は聖徳太子ではないので若林先生の話を聞きながら狭山達の話しを聞けなかった。 「狭山君ってラブコメの主人公みたいだよね!いつもあの二人と一緒にいるし始業式遅刻したりしてるからさ」 なんでだ?と聞く前に理由を言われた俺は頷くだけにした。 気づけば若林は既に話を終え職員室のほうに帰っていた。 「話を聞きそびれた……。」 大丈夫だよ、重要なことは言ってなかったし。それに体育は体育館だって!バスケかバレーだね!」 俺の心配は杞憂に終わり一限目の準備に取り掛かる。 ―――――――― ――――― ――― ―…
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