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ふぉーふぉーと梟の声が聞こえる。
仮面を被った怪しげな男を前にしても、イオギは動じなかった。
「あなたは私の──」
敵ですか、と聞こうとしたが言葉が続かない。
少なくとも危害を加えるような素振りはない。
「ご明察のとおりです」
と男は云う。
敵、味方どちらなのか。
イオギは質問を変える。
「あなたの目的は何ですか」
「ある物を盗みに来ました」
「私が目的ではないと」
「その通りです」
「なにを盗みに来たのでしょう」
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