舞踏会 イオギ

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イオギは鏡に映った自分を見つめ、なんて不機嫌な顔だろうと思った。 結い上げた髪。 胸元の首飾り。 肩をあらわにしたドレス。 私は鏡の前に座っている。 しかし本当に私はここにいるのだろうか。私は私じゃないような気がする。 私は私とずれている。 不思議だ。 ノックの音がして扉が開く。燕尾服を着た男が立っていた。 父だ。
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