冬を越えて…

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人混みの中、なんとか賽銭箱の前までたどり着いて初詣をする。 「何お願いした?」 「えっと、ナツくんがケガしないよーにって…」 そして、おみくじ。 「うわぁ…末吉だぁ…!」 「おー勝った!俺中吉だ!」 こんな、ドコのカップルのやっていることも、夏希とだとより一層楽しかった。 時刻も1時を過ぎて、おれらは駅に向かう。 大晦日は、終電がない。本当は朝まで一緒にいて、初日の出を見たかった。 しかし、それを出来ない理由があった。 「明日から、頑張ってね!」 夏希が、さっき買ったばかりのお守りを渡してくれた。 「おう、ありがとう。電車の中でメールしよう。あと、帰ってきたら日の出見に行こうな」 夏希は微笑みながら可愛くうなずき、改札を抜けていった。 夏希が見えなくなって、俺はひとつため息をついた。 俺は明日から、恒例の、元日に始まる地獄の冬合宿なのだ。
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