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下を向いているお姉さんは、かなり熟睡しているのか一向に顔を上げない。声が小さかったか。
「あの、すみません…!」
今度は明らかに大きい声量で、近くにいる人なら誰でも聞こえる声で呼んだ。
……無言。
周りの人達も、この異様な沈黙空間を破ったというのに僕の声に反応すらしない。
下を向いている人は皆寝てるのか…?
結局お姉さんからは何も聞けぬまま、次の駅に着いてしまった。
他の人にも聞きたかったけど、辺りを見てもお姉さんと似たような反応しかしなさそうな人しかいなかったので、僕は仕方なく座っていた席に戻った。
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