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狭い路地に桜の花びらがいたずらに舞う、足下には働きアリがせっせと何かを運んでいる。
春は好きだ、暖かいし何か頑張れる気がする。
そんな俺の心情は真っ青だった、今でも冷や汗が頬を伝う。
「テメー…なめてんのか?」
「もうボコっちゃえば?財布も抜きとってよぉ」
「こいつの制服…西城じゃん?学校も分かったところで毎日こいつで遊ぶか。」
そう俺は今、不良に絡まれている。
インターネットが飛び交い電子機器時代とも呼ばれるこのご時世に、一目につかない場所に連れていかれ胸ぐらを掴まれ脅される。
はっきり言って生きた化石レベルの絡み方をするこの人達はダサかった。
「お願いします…家は閑古鳥が鳴き母は内職…父は飲んだくれ、姉にいたっては身体を売って家の生計を経てています…どうか私のお金を奪わないでくらはい。」
俺はさっきから悲痛な表情を浮かべ悲惨さを訴えるがこの血も涙もない不良3人には効かなかった。
「うっせぇ!」
「はうっ!」
突如、俺の頬に鈍い痛みが走る。
不良のリーダー格が俺の美顔を殴りやがりました。
勢いで倒れ伏す俺……初見の仕打ちが酷過ぎる………どうしてこうなったのか、それは今朝にまで遡る――
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