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頬が痛い
今の俺の心情を表すにはそれがぴったりだろう
綺麗に手形の出来た頬をさすりながら、お嬢様を恨めしげに睨んだ
そんなことを意に介さずお嬢様はスッキリしたのか話を続けるわよと言った
「最近妙な輩に付け狙われているの。まぁよくあることだし、心当たりはありすぎてわからないし、かと言って防衛策を取らない訳にもいかないわ」
「・・・・護衛とか言えば泣くぞ」
「なら泣きなさい」
「マジかよ」
何をどうしたら護衛ということになるだ
あれか、よくある漫画のごとく助けてくれたあなたにフォーリンラブなのか
しかし、お嬢様にそんな様子はない
よし、却下
「悪いが、断る」
「報酬なら十二分に払うけど」
「そういうことじゃねぇの」
溜め息混じりにそう言えばお嬢様の顔はまた歪んだ
俺は走行中の車のドアを開け、
「俺は他人と関わるのが苦手なんだよ」
飛び降りた
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