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「私の任務は貴方がた一族の抹殺…貴女の願いは受け付けられませんねぇ…でも心配は無用です、夫も子もすぐに後を追いますからね…クックックッ…ハァッーハッハッ!!」
初めて声高らかに笑った男、その顔に罪の意識や情のかけら等は微塵も感じられない。
「貴様ら…」
突っ伏した夫は体をワナワナと震わせた。
「貴様ら…貴様らァァァッ!!」
夫の怒りの咆哮が響き渡り、その体に黒い稲妻がバチバチと走った。
どこからともなく来た黒い波動が夫の体へと流れ込んだ。
「貴様ラハ…許サンッ!!」
人間のものとは思えない声は先程までそこに居た夫とはまるで違う。
ミシミシと夫の手を縛っていた縄が千切れていく音がした。
異変を察した男がスッと駆け出すと何かの術を唱えながら帯刀していた刀を抜き、夫の太股に突き刺した。
「グゥッ…!アァァぁぁ…!!」
痛みにもがいた夫の声は、次第に元の声に戻り黒い波動も稲妻も消えた。
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