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そして向かえた夜
「やっぱりみんなきてたんだ。」
奏がそういった。
四人は頷く。
曲也がいった。
「みんなきたことだし、そろそろいこうか。」
五人は完全に閉ざされている校門を協力しあって飛び越え、校内へと入った。
「なんだか夜の校舎って怖いかも。」
そういったのは深音だ。
懐中電灯を振り回し、やっとの思いで第1音楽室に到着。
中へ入り、とりあえず電気をつけてみる。暗闇にいたおかげでしばらくの間、目を擦っていた五人。
妖精達は突然の明かりにびっくりしたが彼等だとわかると安心した。
「よく来てくれたね。ありがとう。」
あの声の妖精がいった。
五人は頷いた。
「さっそくだけど本題に入るよ。僕達はトーンフェアリー。楽器の妖精だよ。
数年前に僕らの先祖とその時の人間達が手を組み、雑音帝国ノイズメアという奴らをとある山の洞窟に封印したんだけど、長い間、雑音を吸収したせいで封印は解けてしまったんだ。だからまた封印しなければならない。」
さらにその声が続けた。
「もし奴らを封印せずに放っておいたら君達すむこの世界は雑音等しかない世界、つまり綺麗な音は一個もない世界になってしまうんだ。」
「そんなの絶対にやだ!」
深音が叫んだ。
他の四人も同じ気持ちだった。
「うん、君達に僕達がさっき見えたりしたのは、君達の綺麗な音を本当に愛しているという証拠なんだ。そういう人間達でないと僕らは手を組めない。
だからね?君達に頼みがあるんだ。僕達、楽器の妖精が生まれながら持っている力-【ミュージックパワー】-を貸すから、雑音帝国ノイズメアから地球を救って欲しい。
この頼みを聞いてくれるかい?」
五人は頷いた。勉強と雑音帝国ノイズメアなるものとの戦いの両立は大変だろう。だが自分達が心から愛する綺麗な音を守りたいというのが彼等の本音だった。
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