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「そうかそうか、これは山吹色のお菓子(賄賂の事)だね?」
和田先輩は、ニヤニヤしながらその封筒を受けとる。
「山吹色のお菓子?何を言ってんすか?」
吉田は、キョトンとした表情で聞き返す。
「分かってる、分かってる。山吹色のお菓子は隠語で、中身はあれだろ?諭吉さんとか一葉さんとかだろぅ?」
和田先輩は、悪~いお代官様みたいな顔で聞く。
「いえいえ、そんなんじゃ無いです」
吉田はブンブンと首を横に振る。
「ならば、これは何だね!?」
和田先輩は、大きな声をあげた。
「韓国海苔です」
吉田は真顔で答える。
それを聞いた和田先輩は、封筒の中身を確認し、無言で……、
封筒ごと韓国海苔を真っ二つにした。
「あぁ!?僕のおやつが!!?」
このどさくさに紛れて、俺はこの場を抜け出した。
気付けば、今日もロクに練習が出来なかった。
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