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と、額にチョークをぶつけられた吉田が、倒れたまま起き上がらない。
流石に心配になったのか、先生が抱き抱えながら名前を呼んだ。
「吉田!?どうした、吉田!?」
(自分でやったくせに……)
先生に抱き抱えられた吉田は、ようやく目を細く開いてこう言った。
「ラ、ラオウのくそ野、郎……」
ガクッ。
そのまま吉田は、良い顔ですやすやと眠った。
「吉田が寝たところで、朝礼を始めるぞー」
先生は、吉田を床に置いてから出席者の点呼を始めた。
皆も、ようやくうるさい奴が黙ったな、みたいな顔して出席の返事をする。
俺は、
(このままずっと寝てればいいのに)
と思いながら、元気良く返事をした。
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