まだ折れてないだろう

6/10
前へ
/162ページ
次へ
と、額にチョークをぶつけられた吉田が、倒れたまま起き上がらない。 流石に心配になったのか、先生が抱き抱えながら名前を呼んだ。 「吉田!?どうした、吉田!?」 (自分でやったくせに……) 先生に抱き抱えられた吉田は、ようやく目を細く開いてこう言った。 「ラ、ラオウのくそ野、郎……」 ガクッ。 そのまま吉田は、良い顔ですやすやと眠った。 「吉田が寝たところで、朝礼を始めるぞー」 先生は、吉田を床に置いてから出席者の点呼を始めた。 皆も、ようやくうるさい奴が黙ったな、みたいな顔して出席の返事をする。 俺は、 (このままずっと寝てればいいのに) と思いながら、元気良く返事をした。
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

505人が本棚に入れています
本棚に追加