全ての想いを、言葉にするのは無理でしょう?

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「走った!!!」 ファーストの和田先輩が、ランナーの動きを見て叫んだ。 しかし、俺は既に投球動作に入っているので、キャッチャーを信じて思い切りボールを投げた。 「あっ!!?」 俺の投げたボールは、若干ストライクを外れてはいるが、バウンドもしていないし、取りにくいボールでは無い。 しかし、キャッチャーの的場はボールを弾いてしまい、やすやすとランナーの盗塁を許した。 (……またか) 照りつける太陽の下、俺はそんな事を思った。 今日は近くの八万高校との練習試合。 今日は少し調子が悪くて、四球やヒットをいつもより許しているのだが、どうもリズムに乗れないのはそれだけでは無い。 今日は……、というより今日も的場は俺のボールを上手くキャッチできないでいる。
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