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「すまないな摂津、早朝から練習に付き合ってもらって」
何十球投げた頃だろうか、突然的場がそう言ってきた。
「別にいいよ、俺の為でもあるし」
これには、単純に俺の能力向上の意味と、的場が能力向上することでの、結果として自分の為になる事を指していた。
「そろそろ登校時間になるから、ラスト10球ぐらいで切り上げるか?」
俺はそう言いながら、全身から力を込めたボールを放った。
「落ち着け……、素数を数えて落ち着くんだ……、マイ・リトル・サン」
グラウンドでは、吉田がそう言いながら、男性にとっての大事な所を押さえていた。
俺は横目でそれをチラリと見ながら、
(荒木先生に謝れよ!)
と、思った。
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