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「ここまでだ」
その時、目の前に1人の男が立ちはだかった。
目の前の男は、部内でも1番の俊足を誇る川崎先輩だ。
(試合で活かせよ!)
「くっ、なら!」
後ろに引き返そうとしたが、既に他の先輩も追い付いている。
……完全に囲まれたみたいだ。
八方塞がりとはこのことだろう。目の前には、鎖がまを振り回す和田先輩がいる。
「これで終わりだな?」
先輩の1人がそう言った。
(ここまでか?)
この、どうにもならない状況に、生まれて初めてどこかの神に祈った。
……その時だった、
「♪ミッシン、ユ~♪」
どこからともなく、歌が聞こえる。
俺を含めたこの場は騒然として、皆歌の主を探す。
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