時空の砂時計

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今日はおかしい。 最初から今まで全てが。 謎だらけの空間に一人、幸は居た。 今日は何月何日なのか。 自分がここにいる理由。 だんだん自分自身が分からなくなる。 苦しい胸を抑える。 少しずつ息が荒げてくるのが分かった。 「…誰か、助…けて…」 途切れ途切れに紡いだ言葉は、空気に呑まれて消えた。 応えてくれる者など居ない、そう思った刹那…― 『幸。助けてほしい?』 聞き慣れない声が耳元で聞こえた。 艶があり、色っぽい女性の声。 「誰…ッ」 咄嗟に後ろを振り向く。 「………ッ!!??」 幸は目の前で繰り広げている光景に驚愕した。  
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