時空の砂時計

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賑やかな町に、大きな豪邸があった。 その豪邸には大きな庭があって、 その庭のベンチに一人の少女が座っている。 「暇過ぎるー…」 一言呟いたと思えば、彼女はベンチに横になった。 そして無意識に手足をばたつかせた。 周りには母の好きな花が咲き乱れている花壇があり、彼女が座っているベンチの目の前には大きな噴水がある。 時折、その噴水から水しぶきが飛んできて気持ちがいい。 こんな楽園のような庭。 庭を見る限り、庭の隣にある大きな豪邸はもっと豪華だと伺える。 そろそろお分かりになっただろうか。 彼女、御子柴幸(ミコシバ サチ)の家はとてつもなく大金持ちなのだ。 父親は有名会社の社長。 母親は有名会社の社長の秘書。 さらに祖父は作家という、素晴らしい家系を持っている。 しかし周りからは、冷たい目で見られるので幸自身、この自分の環境を嫌っていた。 高校には行かずとも、トップクラスの家庭教師を雇い、勉強ができる。 その反面、友達が出来ずに幸は孤立していた。 彼女はこの束縛された生活が嫌いだった。 だが優しい家族が大好きで、そんなこと言えるはずがなかった。  
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