時空の砂時計

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カサリと乾いた音をたて、蓋を開けた。 「…美味しそ」  口元に笑みを浮かべてクッキーを口に含む。 「やば…美味し過ぎる…」 ダイエットしていた幸だが、手が止まらなくなり、あっという間にクッキーを平らげてしまった。 ひとつの盛大な欠伸をすると、軽くなったカゴをベンチの横にある台に置く。 そしてまたベンチに横になった。 昼間の空は澄んでいて大きな雲がふわふわと浮いている。 つい食べれそうだと錯覚してしまうほど汚れのない雲。 真上にある太陽が眩しく、額に手を添えた。 「眠…」 空を仰いでいたせいか、突然の睡魔に襲われる。 幸はそのまま、意識を手放した。  
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