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「おじいちゃんっ!?」
すかさず幻次郎に駆け寄る。
『お前…が、次の…み…こ…』
「みこ?みこって何の事っ?」
『いずれ、分か…る』と、掠れた声で幸に言い聞かせる幻次郎。
そんな祖父に幸は首を傾げるだけだった。
『茉さ…ん。有り難う…今まで…。尚李を…頼む…』
『幻次郎おじいさん…ッ』
尚李(ナオリ)と言うのは、父親の事。
茉は涙で顔がぐしゃぐしゃになっている。
幻次郎はそのまま、尚李へと視線を向けた。
『強く…なるの、だ尚…李…』
たったのそれだけ。
たったのそれだけを尚李に言い放った。
『父さん…ッ』
尚李の頬に一筋の涙が伝っている。
『幸…。』
ついに、幸へと言葉が向けられた。
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