守る彼女の諸事情

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  「…~お!」 …なんだよ、うっせーな。 ん?てかこれ、何の時間? 「伊尾!伊尾太郎!」 「…ん、?」 ふと聞こえた自分の名前に、半寝の状態でだるい体を少し起こす。 どうやら俺は昼休みの生徒会の仕事が忙しすぎて、いつの間にか寝てたらしい。 ボーっとしてる俺に後ろから声をかけられる。 「伊尾、問3あたった。」 「え、どこ…」 「答えは√3だよ」 おお、さすが水城!! 優しいじゃねーか!! そんな水城に感謝しつつ、俺は元気よく答える。 「√3です!!」 「…………今は英語だが、」 「………」 「………」 「嘘?!」 え?!何?! 後ろを見ると水城は大爆笑。 ぎゃああああ!!コイツ腹黒なの忘れてた……… しかもよく見たら、ゆゆちゃんの授業じゃねーか。 俺文系だから、数学なんてありえないのに!! 俺はどうやら半寝でそれすらも気づかなかったらしい。 「…………(;゚Д゚;)」 こんな顔している俺、爆笑している水城を見てクラス中が笑いだす。 ゆゆちゃんも勿論、爆笑。 キノシタ ユユ 木下ゆゆ(25) 俺のクラスの英語教師でもあり、桃の担任でもある。 美人で気さくで、教師の中で男女共に生徒人気NO1だ。
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