守る彼女の諸事情

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  *** 2日前 その日は夏休みが終わってすぐ、ということもあって生徒会の仕事がまだなかった。 放課後、俺は桃を迎えに行こうとしたら… 「伊尾、暇?」 「え、何で?」 「ちょっと話があんだけど…」 いつもとは感じで水城が真剣な顔で言ったので、俺は桃に連絡して先に帰って貰うことにした。 「でも俺、金ねーよ?」 「いいって!サンキュー!」 そして学校近くのファミレスに連れて行かれた。 「さー食べるか!」 「は?お前、話あんじゃねーの?」 水城は俺の問いには一切答えず、俺に頼めとメニューを進めてきた。 「だから俺金ねーって!」 「俺様がおごっちゃる!」 その言葉に腹へってた俺は何も思わずに頼んで、奢ってもらった。 ………そう、何も疑わずに。 「コスプレ大会?」 「そー!特設ステージでやるやつ!生徒会、美男美女ばっかだし、出てくれない?」 「は?そんなもん出るわけ…っ、」 水城は俺の頬を片手で掴む。すげー握力なんだけど。 「これ食べたよね?払わないよ?食い逃げ?」 「なっ?!」 嘗てこんなに黒い水城を見たことがあろうか。 俺の記憶だと、コイツはサッカー部でおっとり系なはず。だって可愛いって言われてるくらいだよ?! 飯をダシに脅す? …ないない。夢、夢。 俺が早く答えないから、であろうか。俺の顔を掴む水城の力が強まった。 痛い痛い!顔変形する!不細工になる! 「出 る よ ね ?」 「出させていただきます…」 キャラ変? 水城 碧 可愛くて優しい→影の支配者
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