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助けなきゃ。
そんな思いが頭によぎった。
でもどうやって?あんな喧嘩慣れしたようなやつらに、こんなひょろひょろなオタクが勝てるとでも思ってるのか?
…力なら、あるじゃないか。
行こう。後悔しないために。
頭の中にイメージを形作る。
そして完成した短剣を、男たちのど真ん中狙って投げつける。
ヒュッ!という音とともに飛んだそれは、金髪男の足もとにぐさりと突き刺さった。
それに気づいた金髪男がこっちを向く。
「あ?なんだテメェは」
鬼のような形相でこちらを睨む金髪男。足がすくみそうになる僕。
でも逃げないって決めたんだ。
最後まで・・・やる!
「僕は・・・一ノ瀬黒理!」
男3人がクスクスと笑う。
「僕だぁ?見るからに弱そうな奴じゃねぇか。なにしにきた」
「そんなの、きまってるだろ」
セリフを言いながらも、頭の中では着々とイメージを形作る。
「調子に乗ったガキが…ケガしたくなければ帰りな。俺たちは今から楽しむんだよ」
後ろであの子がおびえてる。
赤い髪のあの子が。顔も今度はよく見れた。
かわいい顔をしていた。きっと笑ったらもっとかわいいんだろうな。そう思った。
僕は…その笑顔を守りたい。
初対面でも、いいじゃないか、そう思っても。
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