1章:出会いと始まりの橋の下

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「で、今日も遅刻か。」 「け、結構頑張ったんだけどね…」 「でも遅刻は遅刻だぞお前…」 ごもっともな意見を述べているこいつは僕のクラスメートで古くからの友達の、尾田伝蔵(オタ デンゾウ)だ。 「どうも目覚ましのセット間違えるんだよね・・・」 若干(´・ω・`)←こんな顔で弁解する僕。 「まったくお前のドジっ子属性は昔から治らないな…」 「ど、ドジっ子じゃないよ!というか男のドジっ子なんて萌えないでしょ!」 「いや、世の中には男同士の愛を好む人もいるらしいからな…意外に悪くないかもしれないぞ…」 真顔で言わないでくださいと言わざるを得ない。 「まぁ気を落とすなって。それより今日の放課後だが、暇か?」 「家でニコニコするほかに用はないけど」 廃人サーセン 「なら一緒にアニメイトでも行かないか。今肌色のコピックが切れてしまってな。」 伝蔵は僕とおなじオタクだけど、自分で絵を描いたりもする。 実はその絵がとても上手で、いろいろコツを教えてもらったりしているのだけど、僕はまだ模写しかできない感じだ。 「それじゃ僕も行くよ。今日はお金も持ってきてるし。」 「なら、また放課後な。俺は寝る」 ふわぁと眠そうにあくびをしながら伝蔵が言った。 「昨日も徹夜でネトゲーでもしてたの?」 「ん、あぁ。イベントが昨日までだったんでな。それじゃ俺は寝るぜ、おやすみ」 「おやすみー」 徹夜でネトゲーして授業は寝っぱなし、こんな友達に普通におやすみーなんて言ってる自分もどうかと思った。
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