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「のあさん?」
振り返ると、入所している穏やかなばあちゃん、かよさんがそこにいた。背が小さくて、小人みたいだ。
「あっ、ごめんなさいね。ボケッとしちゃって、ちゃんと仕事しないとね。かよさん、どうしたの?」
「うん。えっとね、おトイレ行きたくなっちゃってねぇ。」
のあはかよさんの車イスを押す。かよさんは両足をピンと真っすぐ上げて、「いつもすまないねぇ。」と言った。
ばあちゃんが生きていたら、ちょうどかよさんと同い年。雰囲気もよく似ていて、親近感がわいていた。
「かよさんはそんなん気にしないでいいんだよ。」
といいながら、トイレに向かった。
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