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トイレをすませて、かよさんはお気に入りの窓際から夕焼けの空を見ていた。
真っ赤な空と、赤とんぼ。そういえば最近とんぼもあんまり見なくなった。
「のあさん。私は、いつおうちに帰れるのかしら。早くおうちに帰りたいねぇ。」
のあは、何も答えられずにいた。かよさんの息子が最後にきたのは、2ヶ月前。面会者は2ヶ月前から誰もいない。
朱。淋しさを更に際立たせる。良くない色だ。ホントに。
「この前けんかしちゃったのが、悪かったかしらね。」
そういえばかよさんは、2ヶ月前、息子さんとけんかしていた。中々息子さんが来てくれなくて、苛立っていたようだ。
「今度来てくれたとき、謝ろうね。」
のあは言った。
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