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のあは小さい頃から人一倍身体が小さく、よく「チビ」と言われては、泣いて帰ってきた。泣き虫だった私は、肩まである髪の毛に鼻水がついていて、がびがびだったらしい。小さい頃の特有のさらさら髪は、なんとも惨めな姿になっていた。
小学生になって、のあはより虐められるようになる。のあは勉強がわからなかった。幼稚園までで話していた言葉が、わけのわからない記号に早変わりしていた。わけのわからない記号を頑張って書いても、テストでは0点以外取れなかった。気が付けば、鉛筆を持つだけで、手が震えていた。先生には、何で出来ないんだとよく怒られ、時には殴られた。
のあは、夕日が好きだった。
夕日は、居残りさせられていたのあを解放してくれた。黄金色のすすきが広がる原っぱを、下校するのが大好きだった。
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