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「お嬢様、おめでとうございます。」
お祖父様の話が終わりお決まりのパーティーが始まると、お祖父様、お父様、お母様、尚斗兄と圭斗兄に挨拶をして会場を出た。
出たところで、私付きの秘書兼執事の神原【ジンバラ】が近づいて来る。
「ありがとう、神原。あなたのおかげだよ。」
そう…私が兄様と戦えたのは神原のおかげ。
蒼園家はひとりひとりに秘書兼執事が一人付く。
私には神原家の長男の高志さん。小学生からの付き合い。
帝王学はほぼ彼から学び、厳しい厳しい指導のもとレースに望んだ。
レース中は口を出すことも助言をすることも禁止。
そんな中、無謀とも思われることもやってくれた。
他の人では無理だったろう。
彼だったから勝てたのだ。
「どちらに帰りますか?」
すぐに隣に来て後ろに下がるとそう言われた。
そうだった。
高校二年までは本家に住んでいたんだけど、レースが始まると追い出され。マンションに引っ越したのだ。
レースも終わり、本家へ入れるようになったので、どっちに帰るのか聞いてきたのだ。
どうしよう。
本家は実家だから帰りたい。けど、今の家はマンションだからなぁ。
「久しぶりに本家へ帰りますか?」
「…いや。マンションに帰る。明日はお休みだから、ゆっくりするわ。」
マンションは通っていた高校や進学する大学からも近いとこにした。が、神原の家に近い為、神原は同じマンションには暮らさず自分の家から通うことになった。
一応、由加里は家事一般は出来るので部屋に入ることはない。
「わかりました。」
神原は車のドアを開け、由加里を乗せると由加里のマンションに向かった。
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