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「え?今、何て?」
小さな呟きは私まで届かなかった。
「何でもない。
それより、予定変更。
俺、来週の約束のつもりだったけど今日に変更。
真知、俺に付き合ってくれない?」
真っ直ぐに見詰められ右の手の平をソッと差し出される。心なしか耳が赤い様に見えた。
「えぇ、良いわ。」
そう応えるとソッと聖の手の平に自分の手を重ねた。
あんなにムカついてたのに不思議。
何か、断れなかった。
私達は聖の車でドライブして夜景の見えるレストランで食事を堪能し、バーでカクテルを堪能したのだった。
「本当に、奢って貰って良いの???」
申し訳無くて何度か訊ねる私に聖は
「お詫びって言ったじゃん。
それに俺、アンタより金持ってるから。」
聖は舌を出して意地悪く言ってみせた。
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