・其ノ三 ~家~

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「ただいま~。」   俺は、そう言って玄関を開けた。暑い中走って来たせいで、汗だく、息切れ。   ちなみに、家のつくりは和風。縁側とちょっとした庭があるうえ、2階もある広めの家だ。   「おかえり~。どうしたの?そんな疲れた様子で。」   母さんが、家の奥から出て来て言った。   「あぁ、また熱心な妖が出て来てさ。走って来た。」   母さんは、そう、とだけ言って洗濯物を取り込みに行ってしまった。 俺は、そのまま台所に行き、冷蔵庫から冷えた麦茶をコップに注ぎ、一気飲みした。
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