210人が本棚に入れています
本棚に追加
植え込みから飛び出してきたのは…俺の身長を軽く越えるくらいの高さで、横幅もかなりある、大きくて、着物っぽいものを身にまとい、地面にまでつく長さの髪の妖だった。
「光様でございますね。ぜひわたくしめを子分にしてくださいまし。」
妖は、俺に向かって言う。
恐れ逃げる妖もいれば、こうして子分にしてくれなどと言ってくる妖もいたりする。
「いや…そういうのは…」
俺は、困りながら言った。すると、妖はショックを受けた顔をして言ってくる。
「なぜですか‼光様ほどのお方なら、他にも子分にしてほしいというモノがたくさんいますでしょうに…何故子分も持たず…」
「いや…だから…俺は子分とかいらないし…」
あまりの妖の勢いに、少し後退りしながら俺は言う。
最初のコメントを投稿しよう!