第二章

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『もう、いつまでニヤニヤしてるの?そんな顔じゃヴィーダル様に会わせられないでしょ。まぁ、フレイアを見てしまったのなら仕方がないけど。』   『フレイアって天国では綺麗で有名なの?』   オレの質問にヴァルキューリはまるで自分の事のかのように自慢げに胸をはって答えた。   『当たり前じゃない。フレイアば美の女神"よ。どんな生物も神もフレイアより美しい者はいないのよ。 それに彼女はものすごい能力(ちから)をもっているの。゙神器"がなくても゙術(すべ)"が使える数少ない女神なのよ。』   今までに一度も聞いた事もない言葉が何個も出てきた事により、オレの頭は混乱した。   『゙神器"?゙術(すべ)"?何の事言ってんのかサッパリわかんないよ…』   『その事についてはいずれ話すわ。今説明しても理解できないでしょうからね。』   ゙神器"ど術(すべ)"…聞いた事がないが、理解できないのら仕方がない。それに、いずれ話してくれるのならば今はそんなに気にしなくても良さそうだ。     ……     しばらく廊下を歩いていると扉にぶつかった。その扉は非常に大きく、金や宝石で美しく装飾されている。   『この先に我らが主、ヴィーダル様がいるのよ…準備はいい?』   ヴァルキューリは顔を引き締め、扉の前でポカンと口を開けているオレに向かって言った。 オレは状況がイマイチ掴めてないので、へらへらしながら軽く首を縦に振った。   『はぁ…お気楽なものね…まぁいいわ、いくわよ。』     トントン…     ヴァルキューリが2回ノックをすると大きな扉はギイイっと、いかにもといった感じの音を立てて開いた。   『……!!マジかよ……』   オレは扉の向こう側を見て言葉を失った。 そう、この部屋は全て金でできていたのである。壁、柱、椅子…見渡すもの全てが金で眩しく光り輝いていた。     趣味悪………     しかしこんな最高に悪趣味な部屋の中でもヴァルキューリは眉すら動かさず、じっと前を見つめていた。 よく見ると、ヴァルキューリの視線の先には人が座っている。   ヴァルキューリは軽く頭をさげると背筋を伸ばし、まるで自衛隊の行進のように前へと歩き出した。 何もわからないオレは戸惑いながらもヴァルキューリの後について歩いた。
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