第二章

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オレは思わず立ち上がってしまった。直接人間が巨人族の恨みをかっているのならば、ミッドガルドは今非常に危険である。 そして、ヴィーダルは過去と全く同じ方法で巨人族に戦いを挑もうとしている…これではラグナレクと同じ結末を生むのではないのだろうか。 不安が爆発したオレはヴァルキューリの肩を強く掴んで言った。   『おい!アンタらは一度それで負けたんだろ!?一度負けた作戦をもう一度使うなんて…そして、だいたいオレみたいな並の人間が神ですら勝てない相手に勝てるはずがないだろう!?』     ………     『……あなたは並の人間ではないわ。』   『…え?』   ヴァルキューリはそう答えると食い込むほどに握りしめていたオレの手にそっと触れた。   『私ば魂を選定する者"。ただ適当に死が近い人間を集めた訳じゃないの。あなたには素質があるの…生まれ持つ特別な才能があるのよ。 それば術(すべ)"をコントロールする事のできる才能…』   『す…べ?さっきも聞いたけど、その゙術(すべ)"ってのは何なんだ?』   『人間の脳の70%は通常使われていないの。その眠っている部分の事を゙ナイドヘッド"と呼んでいる。 ゙術(すべ)"とはその゙ナイドヘッド"の部分の情報の事よ。 あなたにば術(すべ)"を知る事のできる素質がある…だから私はあなたをエインヘルヤルに選んだの。』   『その゙術(すべ)"ってのにはどんな情報が隠されているんだよ?』   『゙術(すべ)"には世界の常識を゙操作・無視・変換"する方法が入っているわ。その方法は性格や顔が皆違うように人それぞれ…あなたの知る事のできる゙術(すべ)"も、今は私にもわからない。』     カーン…カーン…     突然、鐘を叩いたような音が外で聞こえた。一体何だろうか?オレが不思議そうにその鐘の音を聞いていると、ヴァルキューリは少し慌てた様子で立ち上がった。   『…非常呼集よ!!今すぐヴァルスキャルヴへ向かうわ。あなたも準備をして!!』   『え?オレも行くの?』   『もし呼集の理由が敵の遊撃だったとしたら、ここにあなた一人にはできないでしょう?早く準備しなさい!』   聞きたい事はまだあったが、どうやら今その時間的余裕は無さそうである。オレは急いで準備をしてヴァルキューリと一緒に家を出た。
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