第二章

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     ヴァルスキャルヴに着くと、そこには武装した沢山の人が整列していた。ヴァルキューリがその列の最後尾に並んだのでオレもヴァルキューリの後ろに並ぶ。 …一体これから何がおこるのだろうか? オレは周りに聞こえないように、小さな声でヴァルキューリに言った。   『なぁ、この人達は誰なんだ?』   『ここに整列しているのは全て神よ。これだけの神が集められたという事は、かなり重大な事態が起きたって考えて間違いないわね…』   しばらく待っていると、近くの扉からヴィーダルが出てきた。ヴィーダルは全員が見渡せる位置に立ち、今の状況を説明しはじめた。   『夜遅くに皆に集まってもらったのには理由がある。 見張りの者の情報によると巨人族がヴァルハラに出没したらしいのじゃ。 敵勢力は極めて小さく、2名とのこと。しかし、どこかに敵が隠れているという可能性もあるので皆は非常事態に備えてヴァルスキャルヴの中で待機をしておけ。 まずはワシとヴァルキューリで現場に向かう。ヴァルキューリよ、準備は出来ておるか?』   ヴァルキューリは闘志に満ちた表情で首を縦に振った。そしてオレを指差しながらヴィーダルに言った。   『ヴィーダル様、この少年も一緒に連れて行ってもよろしいでしょうか?安全は私が確保します。』   『…そうじゃな、ここに残るのも心細いじゃろう。それに戦いを一度見て答えを出すのも良い。 少年よ、ワシらについてくるのじゃ!!』   不安はあるが、だからといって誰も知り合いがいない所に残るのはヴィーダルの言う通り少々心細い。それに敵が2人しかいないのならそんなに危険性は高くないだろう。オレは2人についていく事にした。   オレが行く事を確認したヴィーダルは、すぐにヴァルスキャルヴの横に待機させておいた馬車に乗り込んだ。オレ達もヴィーダルの後に続いて乗車する。   『2人とも乗ったな?目的地まではすぐじゃ、気を引き締めておけ!!』   ヴィーダルはオレ達に気合いを入れると、馬に向かって何か合図をした。馬車は勢いよく動き出し、目的地へ向けまっすぐに進んだ。
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