第一章

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ラグナレク       …それは全ての終わりである。 ラグナレクの時が近づいてくると、人々は狂気にかられ三冬にわたる戦争をはじめる。あらゆるものは戦争により破壊される事となる。   やがてそういった人々の負の魂が空を覆い隠し、太陽をさえぎり極寒の時代がおとずれる。 巨人達はそれらを喜びに感じ、大地を我が物顔で踏み潰す。   全ての大地は震えおののき、樹々は倒れ、山は崩れ落ちた。      しかしその負の連鎖はミッドガルド(人々の住む世界)だけで終わろうとはしなかった。       アースガルド(神々の世界)に住み、オーディンを最上階神とするアース神族と、ミッドガルドのヨツンヘイムに住み、スルトを王とする巨人族とが戦争を始めてしまうのだ。     スルトは炎の剣でアース神族の二級神であるフレイを殺し、さらにアースガルド・ミッドガルド・ヘル(死者の世界)を燃え盛る灼熱の大地へと変える。   その驚異的な破壊力の前では、人間はおろか、ほとんどのアース神族は成す統べなく焼き殺され、灰になる。       しかし、その炎の中生き残った強靭な数人の神がいた。 神は巨人族の連れる魔物達と戦った。魔物とはミッドガルドを覆い尽くすほどの長さをもつ毒蛇゙ヨルムンガルド"、氷の力を司る狼゙フェンリル"である。 その二匹は神々によって殺されるのだが、神々もヨルムンガルドの毒に侵されて命をおとした。       太陽と星は姿を消し、永い暗闇が続く。そして大地は深い海の底へと沈んでゆくのだった。
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