第二章

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吹き飛ばされたヴァルキューリは着地の瞬間に前転をして受け身をとった。どうやらダメージはほとんど無いようだ。 巨人族は鼻で笑ってヴァルキューリに言った。   『今のは挨拶代わりだ。一人でのこのこと出て来やがって…まずはお前の首をスルト様への手土産としよう!!』   ヴァルキューリは怒りに満ちた顔で巨人族に向かって叫ぶ。   『この低級族が…神の力を思い知るがいい!!』   ヴァルキューリは構えをとき、巨人族に左の掌を向けた。巨人族はものすごい勢いでヴァルキューリに向かって行っている。   『ははは!早速戦意喪失か?まぁいい、このままひねり潰してやろう!!』   巨人族がどんどん近づいて来ているにもかかわらず、ヴァルキューリはそのままの姿勢で何かブツブツを喋っている。   そしてとうとうヴァルキューリは巨人族の間合いに入ってしまった。巨人族は丸太のように太い腕を振り上げた。   このままではマズい!!       ……ドガン!!     ……?   巨人がヴァルキューリに殴りかかろうとした瞬間、゙偶然にも"巨人の足がもつれ前方に倒れ込んだ。 ヴァルキューリは地面にうつぶせになっている巨人の首を素早く切り捨てる。そしてもう一人の巨人を見て馬鹿にするように言った。   『あら、かわいそう…お友達は不運にもついまずいてしまったわ。残るはお前一人ね。』   『調子に…乗るなぁ!!』   仲間を殺された巨人は鬼の形相でヴァルキューリに向かって走った。しかし、またヴァルキューリは左の掌を向けているだけである。   そして巨人がぎりぎりまで近づいた瞬間、ヴァルキューリは力強く叫んだ。   『゙術(すべ)"発動!!平伏しなさい!!』   ヴァルキューリが叫んだ瞬間、巨人はいきなり地面に大の字に倒れ込んだ。 無防備になった巨人に対し、ヴァルキューリはまた手際よく首をはねる。2人の巨人を倒したヴァルキューリは剣を鞘にもどし、後ろを振り向いてオレに言った。   『そういえば私の゙術(すべ)"を言って無かったわね?私の゙術(すべ)"は変換…対象の原子の軌道電子のスピンを全て同じ方向に回転させる能力よ。』
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