第二章

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    ………     突然、オレを取り巻く全ての時が止まった…オレが死んだ時と同じだ。   (ヴァルキューリがやったのか!?)   オレはヴァルキューリの方を見た。しかしヴァルキューリの動きも止まっている…どうやらヴァルキューリの仕業ではないらしい。   じゃあ、いったい誰が?     『…少年よ、力が欲しいか?』   どこからか声が聞こえた。近くに誰かいるのだろうか?オレは辺りを見渡した。   『何をしている…私はここだ。』   オレは、はっとして右手の方を見た。間違いない、声はこの棒から聞こえる。   コイツが…しゃべっているのか?   『そうだ、ようやく気付いたか…まあいい。単刀直入にきこう、少年よ、お前は今何がしたい?』   オレのしたい事…オレはヴァルキューリを助け出したい。   『ならば力を貸してやる…お前の脳の中に眠る゙術(すべ)"の一つを使うのだ。』   すべ…あのとんでもない魔法みたいなやつか!?   『そうだ、それは絶対的な力…いや知識か。それさえあればお前は彼女を救い出す事ができる。』   ゙術(すべ)"があればヴァルキューリを救い出せる?だったら今すぐそれを教えてくれ!!   『だったらオレと契約しろ。お前の中に眠る゙術(すべ)"を思い出させてやる。そして私と共に生きるのだ。』   契約でも何でもしてやるよ!早くしないとヴァルキューリが!!   『交渉成立だな…約束通り゙術(すべ)"を思い出させてやろう。後はお互いの名を交わせば契約は結ばれる…少年よ、お前の名は何だ?』     オレの名前は神宮 聖(しんぐう ひじり)。アンタの名前はなんだ?   『私の名は…』                    『神槍 グングニル』
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