第二章

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『…人間!!お前から殺してやる!!』   巨人は鬼の形相でオレに向かってきた。巨人の足が地面につく度にドシンと重い音がなる。 そしてオレとの距離が1メートルほどの位置で丸太のような太い腕を豪快に振り上げた。 それを見たヴァルキューリが咄嗟にオレに向かってさけぶ。   『来るわよ、避けなさい!!』   しかしオレはヴァルキューリの言葉を無視し、その場で重心を深く落として構えた。 巨人はそんなオレの行動を見てニヤリと笑った。そしてその腕を物凄いスピードで躊躇なく振り下ろした。     予想外のオレの行動に驚き、ヴァルキューリはオレを助けに行こうとしたのだが、先程受けたダメージのせいで体がうまく動かない。     『避けてぇ!!』     ヴァルキューリ、大丈夫だよ…     ゙力"勝負なら絶対に負けない!!     『潰れろぉお!!』     オレは向かってくる巨人の拳めがけて全力でグングニルをぶつけた。   グングニルと巨人の拳が接触した瞬間、巨人の拳は砕け、肘が不自然に折れ曲がった。巨人は声にならない悲鳴をあげ、地に膝をつける。   『このまま一気に畳み込む!!』   オレは間髪入れず巨人に打撃を何度も加えた。その度に巨人の体は折れ曲がる…そしてとうとう巨人は力尽き、地面に顔をうずめた。         巨人が動かなくなったのを確認したヴァルキューリがオレに近づいてきた。   『君、さっきの攻撃…゙術(すべ)"を知る事ができたのね?それにその棒…やはり神器だったみたいね。』   オレはグングニルを軽く撫でながら答えた。   『神器?よくわからないけど…コイツから゙術(すべ)"は教えてもらったよ。コイツがなかったらヴァルキューリを助けるどころか、2人共巨人に殺されてた…ヴィーダルには感謝だよ。』   『様をつけなさいって言ってるでしょ。ところで、君の゙術(すべ)"は何なの?』     オレは近くにある岩を軽く叩いた。するとその岩は物凄い音を立ててバラバラに砕け散った。         『オレの゙術(すべ)"ば操作"…力[F]=maの[ma]に任意の自然数Kを加える事ができる能力だよ。』
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