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オレは話しを続けた。
『゙力"…それを一般的に゙F"と表すんだけど、その゙F"にはいろいろな種類がある。そのうちの
F=ma
という式…この式においてmは運動している物体の質量(kg)、aは運動している物体の加速度をさす。
したがって物体の質量が大きかったり、加速度が大きかったりすると、その物体の持づ力"は大きくなるんだ。
…ここからがオレの゙術(すべ)"だ。オレはそのF=maの゙ma"に任意の自然数Kを付加する能力…つまりオレの゙術(すべ)"により、この棒の持づ力"は…
F=Kma
となる。例えば、オレが棒で攻撃すると、本来与える事のできる打撃のK倍の威力に膨れ上がる。
でも欠点もある…Kは任意の自然数というものの、Kが大きくなる程に゙術(すべ)"のために使う体力が大きくなる。それと、棒を゙右手"に持たないど術(すべ)"が使えないんだ。』
ヴァルキューリはオレの説明に納得したようすである。
『なるほど。それで巨人をあんなに簡単に倒してしまったわけね…単純で強力な゙術(すべ)"、戦闘の初心者のあなたにはピッタリじゃない?
ところで…゙術(すべ)"が使えたってことはあなた、その神器と契約を交わしたみたいね。ならお互いの名を教えたでしょう?神器の名前は何ていうの?』
どうやら契約を交わす時は皆、お互いの名前を教え合うらしい。あの時、時間が止まったのは例外ではなかったようだ。
オレは棒を軽くつま先で蹴りながら答えた。
『コイツの名前ば神槍 グングニル"っていうんだ。…偉そうな名前だろ?』
『……え?』
ヴァルキューリには珍しく、目を点にし、首を傾げながら聞き返してきた。もしかしてオレは神器の名前を言い間違えたのだろうか?
オレは今度はゆっくりと神器の名前を言った。
『だから、グ・ン・グ・……』
『グングニルですってぇ!!?』
……なんだ、聞こえていたのか。
ヴァルキューリは小さく震えながらオレの肩を痛いくらいに掴んでいる。…随分とオーバーなリアクションだ。そんなに驚くほどの物なのだろうか?
『ヴァルキューリ…グングニルってのはそんなにすごいの?』
『すごいのかってあなた…!!』
ヴァルキューリはゆっくりと深呼吸をし、少し自分を落ち着かせてからオレに言った。
『神槍グングニルはね…』
『神々が持つ神器の中で、最強と言われている物のうちの一つよ。』
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