第二章

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オレは話しを続けた。   『゙力"…それを一般的に゙F"と表すんだけど、その゙F"にはいろいろな種類がある。そのうちの   F=ma   という式…この式においてmは運動している物体の質量(kg)、aは運動している物体の加速度をさす。 したがって物体の質量が大きかったり、加速度が大きかったりすると、その物体の持づ力"は大きくなるんだ。   …ここからがオレの゙術(すべ)"だ。オレはそのF=maの゙ma"に任意の自然数Kを付加する能力…つまりオレの゙術(すべ)"により、この棒の持づ力"は…   F=Kma   となる。例えば、オレが棒で攻撃すると、本来与える事のできる打撃のK倍の威力に膨れ上がる。   でも欠点もある…Kは任意の自然数というものの、Kが大きくなる程に゙術(すべ)"のために使う体力が大きくなる。それと、棒を゙右手"に持たないど術(すべ)"が使えないんだ。』   ヴァルキューリはオレの説明に納得したようすである。   『なるほど。それで巨人をあんなに簡単に倒してしまったわけね…単純で強力な゙術(すべ)"、戦闘の初心者のあなたにはピッタリじゃない?   ところで…゙術(すべ)"が使えたってことはあなた、その神器と契約を交わしたみたいね。ならお互いの名を教えたでしょう?神器の名前は何ていうの?』   どうやら契約を交わす時は皆、お互いの名前を教え合うらしい。あの時、時間が止まったのは例外ではなかったようだ。 オレは棒を軽くつま先で蹴りながら答えた。       『コイツの名前ば神槍 グングニル"っていうんだ。…偉そうな名前だろ?』   『……え?』   ヴァルキューリには珍しく、目を点にし、首を傾げながら聞き返してきた。もしかしてオレは神器の名前を言い間違えたのだろうか? オレは今度はゆっくりと神器の名前を言った。   『だから、グ・ン・グ・……』   『グングニルですってぇ!!?』     ……なんだ、聞こえていたのか。     ヴァルキューリは小さく震えながらオレの肩を痛いくらいに掴んでいる。…随分とオーバーなリアクションだ。そんなに驚くほどの物なのだろうか?   『ヴァルキューリ…グングニルってのはそんなにすごいの?』   『すごいのかってあなた…!!』     ヴァルキューリはゆっくりと深呼吸をし、少し自分を落ち着かせてからオレに言った。   『神槍グングニルはね…』           『神々が持つ神器の中で、最強と言われている物のうちの一つよ。』
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