第二章

25/28

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
『神器はアスガルドにはいくつかあって、その中でも飛び抜けて能力が高いといわれている神器の事を゙四宝"と呼んでいるわ…その゙四宝"は全部で4つ、必中のミョルニル・魔剣レヴァンティン・忘却石スキーズビラズニル・そして、あなたが今持っている神槍グングニルよ。特に神槍グングニルはラグナレクが起こる前に世界を統一していた最高神゙オーディン"が持っていた神器なの。 私も神器゙ニーベルゲンの腕輪"を持っているけど、そんなの゙四宝"に比べると玩具程度…足元にもおよばないわ。』   …そんなにすごい物だったのか。しかし、何でヴィーダルはそんな物を出会って間もないオレなんかに渡したのだろうか?オレはヴァルキューリに尋ねた。   『グングニルが凄いってのはわかったけど…だったら何でそんな物をオレなんかに渡したんだ?』   オレのこの質問にヴァルキューリは少し難しい顔をした。   『神器っていうのは、全ての者が使えるわけじゃないのよ。使用者と神器にも相性がある…あなたは私の神器は使えないし、私もあなたの神器は使えない。 だからグングニルはオーデインの息子であるヴィーダルが受け継いだし、ミョルニルもトールの息子のアグニが受け継いだの。 でも今、グングニルはあなたに反応している。この理由は私にもわからないわ…』   また、ヴァルキューリの話しによると、一つの神器に適合者が二人いるケースは今までに無いらしい。少しの間ヴァルキューリは下を向いて考えていたが、すぐに顔を上げてオレに言った。   『疲れているところ悪いけど、もう一度ヴァルスキャルヴに戻ってもいいかしら?』   ヴァルキューリの家に帰ってもまだ敵が近くに潜んでいる可能性があり危険である。今はヴァルキューリの言う通り、ヴァルスキャルヴに戻ったほうがいいだろう。 それに、どうしてオレにグングニルを渡したのかも気になる。   オレ達は敵の襲撃に備えて、周囲を警戒しながら早足でヴァルスキャルヴへ向かった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加