第一章

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    ………      何年もの時がながれ、大地が再び水の中からよみがえってくる。土には緑が広がり、ありとあらゆる生物が生まれた。 そして死んだ太陽と月と星さえも息を吹き返し、また三つの世界に昼と夜を交互に与えた。       緑が戻ったアースガルドに4人の神がひょこりと現れた。オーディンの息子であるヴィーダルとヴァーリ、そして雷の神トールの息子のモージとアグニである。   彼らは父が所持していた武器である神槍゙グングニル"と鉄槌゙ミョルニル"を受け継いで天に住む神々を作りあげた。     生きのびたのは神だけではなかった。アースガルド、ミッドガルド、ヘル(死者の世界)を貫くように生えている巨大世界樹゙ユグドラシル"の幹の奥に隠れて生命を維持した人間がいた。彼らの名はリーヴとリーヴスラシルである。スルトの灼熱の炎も世界樹の幹の中までは届かなかったようである。   そして彼らは子供たちをもち、子供たちがまた子供たち生み、再び人間の世界を作り上げた。   どこにも生命と新しい生命が生まれ、大地のあらゆる所に生命があふれることとなった。       これがこの世の終わりで、また始まりであったのだ。                  しかし、我々はひとつ忘れてしまっていたのである…                 それは………
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