第二章

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        ………突然、オレを取り巻くすべての時間が止まった。     オレは何が起きたか理解出来ず、しばらく立ち尽くしていた。     『お前は選ばれのだ…』     何処からともなく声が聞こえる…誰だ?オレは辺りを見渡した。   すると正面の方が眩しく光り始め、その光の中からゆっくりと何かが現れ始めた。よく見てみると何か…人のようなものが見えるが、眩しすぎて細部までは確認できない。   『……くっ!?何なんだ?この光は!?』   オレは目を凝らして目の前に現れているそれを見た。 光はだんだんと弱まっていき、その何かの姿があらわになっていく。     ………     『……天使?』   そう…オレの目の前に現れたのは、すらりとした体に長い金髪、西洋の鎧のようなものを身につけ、両手には剣と盾を持った美しい女性であったのだ。しかもその背中には白く輝く大きな翼が見える。 これを天使と言わずして何と呼ぶだろうか…   そのあまりの美しさに言葉を失い、ただその場で口を開けているオレに、天使は優しく呼び掛ける。   『少年よ、お前は選ばれたのだ。神はお前を欲している。どうだ?神の為に生きてはみないか?』   オレには天使の言っている事がどういう意味なのか全く理解できなかった。彼女はオレに何を伝えようとしているのだろうか?オレに何を求めているのだろうか? ただ、疑問だけがぐるぐると頭をまわる。   天使は何も言わず美しく微笑み、左手をオレに向ける。       知りたい…彼女がオレに何を伝えようとしていて、何を求めているのかを。   オレは天使に向けて思いきり手をのばした。しかしあと少しのところなのにどうしても届かない。オレはその天使の方へ足を進めた。     あと3歩で届く…       あと2歩…       1歩…           『聖ぃー!!!』         ……え?
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