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引っ越し当日。
憂兎は…来るはずないか。オヤジさんと旅行行ってるもんな…
微かな期待もむなしく、俺は今のこの家から離れて行った
向こうでの中学は三年間、意外と楽しく過ごせた
その頃になると、憂兎の顔が記憶の中でぼやけてきていた
多分、それは憂兎も一緒だろうな
「は?なんだって…!?」
ある日、突然のオヤジの言葉に耳を疑った
日本…に
「今月末には引っ越すから準備しとけよ^^」
オヤジはそれだけ言うと仕事場に戻って行った
此処での生活もなかなか楽しくなってきてたのになぁ…
前から、オヤジは1人で食を極めていたが…それも終わり、母国の日本で店を出すと決めたらしい
オヤジの料理につきあって、引っ越してきたのに…また引っ越しなんて‥
「ホント、意味ねーよな」
弟も考えてることは一緒だったらしい
とりあえず荷物はまとめとかなきゃな…。
約三年間ぶりの日本の地に足をつける
この前住んでいた家は誰かが暮らしているらしかった
「亜槻!…はやく車に乗れ^^」
オヤジが運転席から声をかけてくる
「あぁ…。」
車に乗るとどこかに走り出した
窓から景色を見るけど‥あんまり記憶に残っていなかったか、変わってしまったかで全然分からなかった
「なぁ‥今度はどこに行くんだ?」
「この前住んでたところの近くよ^^」
「…。」
「明日には高校のことでいろいろ忙しくなるからね^^」
「引っ越しも終わらないのにか?」
「うーん‥しょうがないわね^^」
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