とある神魔の日常生活

プロローグ

『十分に発達した科学は魔法と区別がつかない』
クラークの言葉だ。

現代科学は、既に個々人で把握できる領域を越えて広がり、過度の専門化・先鋭化によって、専門外の人間にはまるで意味不明の代物と化している。
故に、その道の専門化は魔法使いと呼べる。

専門化が作り出した物は、魔法。

ただし魔法とは、唱える呪文に用いられる言語、長さ等によって効果は違う。

数学で、答は同じなのに途中の式が違う事や、国語においては、生物という漢字を（せいぶつ）、もしくは（なまもの）と違う意味の読みがあるように。

それと同じで、土木のプロは道路等の測量において、幾つもの測り方を知っている。違う機材で測っても、測り方が違っていても、結果は同じだったり、という事。

ボクサーは試合で、相手に幾つものパンチを放つ。

次の試合では、違うパンチを繰り出したりして、結局は、どちらの試合でも勝つ。

過程は違うが、結果は同じ。

これも魔法と言う事が出来る。

物理学者等が使う理論は、魔導という。

魔導とは教えであり、信じる事だ。

科学に置き換えて言うと、公式にあたる。

文章や数式は呪文と言われる。

呪文を連続で言うと魔術だ。