プロローグ -鈴の音-

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プロローグ -鈴の音-

 梟は、守り神とされていた。白い梟には、人を惹き付ける不思議な魅力も備わっている。人の心を導くこともあるらしい。  朝日が湖にキラキラと光があたり森が目醒め、どこからかチリーンチリーンと鈴の音響いた。  湖に、鈴音がゆっくりと歩いてきた。風が通り、木々がさわさわと音を立てる。朝の挨拶をするとまた、チリーンチリーンと鈴の音がした。鈴音はその音をきくと、椿に囲まれた屋敷へと向かった。  母を病気亡くし、父は再婚してすぐ後を追うように亡くなってしまた。両親を亡くした鈴音は自分の事はすべて自分でする事になった。他にも、継母や義理の姉の物は一切触ってはいけい。一緒に食事をすることも禁止された。  本来、鈴音は旧家のお嬢様である。お手伝いさんがいて、料理掃除洗濯といった家事をする必要はない。しかし、父親が亡くなってから、継母である優佳が支持したのだ。お手伝いの中には、鈴音を慕う者もいた。ところが、鈴音の味方した者は、皆解雇されてしまうのだった。  今残っている者は皆、優佳や緑を慕う者ばかりだ。
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