💕可憐可愛いよ可憐💕

到着……

　僕はその言葉を聞くとなぜか顔が赤くなった。

　なんか、変な意味に聞こえたような……？

　ううん、そんなことない……よね？

　僕は可憐にありがとう、と一言言うと、プリクラの中へと入っていった。

「思ったより中は広いんですね」

　プリクラの中へ入った可憐の第一声がこの言葉だった。

　僕もそんなに入ったことないからよくわからないけど、確かに前入ったプリクラ機より広い。

　そうだね、と可憐に笑顔で言うと、お金を台の中へ入れる。

「わ！　お兄ちゃん、何か色々画面に映ってるよ？」

　フレームの選択画面で楽しそうな声を出す可憐。

　あはは、と僕は笑うと、可憐に聞いてみた。

　そうだね、どれにする？

「可憐、お花が映ってるのがいいな……」

　お花……ね。

　適当に画面を押していると、色々な花のフレームが出てきた。

　僕は可憐に、どれにする？　と聞いてみる。

　可憐はこれがいいです、とピンク色のコスモスを選んだ。

　オッケー、とそれを選ぶと画面は切り替わる。

「画面に可憐とお兄ちゃんが映ってます！」

　可憐は目を丸くし、驚いたように言う。

　僕は可憐の肩に手を乗せると、あれを見てね、と可憐に言った。

「は……はい！」

　可憐の肩に力が入っているのがわかる。

　僕は可憐に、緊張しなくても大丈夫だよ、と言おうとした瞬間……

　プリクラの台からカウントが始まった。

「わわっ、カウントが……」

　さらに緊張する可憐。

　何か言いたかったけど、このままじゃ間に合わないと感じた僕は、とりあえず一枚撮ってみることにした。

　カシャ！

　シャッター音が鳴ると、画面が切り替わり、今撮った写真が画面に映し出された。

「……ごめんなさい、おにいちゃん。可憐、目を閉じちゃった」

　画面を見てみると、確かに可憐の目は閉じていた。

　それに、やっぱり顔が強張っていて、緊張しているのがわかる。