💕可憐可愛いよ可憐💕

到着……

　僕は可憐に大丈夫、と言うとそっと肩に手を回した。

「お、お兄ちゃん!?」

　驚く可憐、それに顔が少し赤くなったのがわかる。

　僕も恥ずかしかったけど、これしか方法はないと思い、肩に手を回しながらこう言う。

　こうやって可憐の肩に手を置いていたら、緊張しなくて済むでしょ？

　可憐は無言でコクリ、と頷く。

　頷くのを確認すると、僕はさらに可憐の肩を抱き寄せた。

　顔と顔の距離が近くなったせいか、可憐は顔を真っ赤にしてしまい、俯いてしまう。

　ダメだよ可憐、顔を上げて！　と説得をする僕。

　可憐はまた無言で頷き、顔をゆっくりとあげた。

　その時、不意にシャンプーのいい匂いが漂ってくる。

　僕は思う。

　多分可憐の匂いだ……。

　可憐って、いつもこんなにいい匂いしてたっけ？

　してたような……していないような……。

　それになんだろう、何かこの匂い、安心する。

　昔……本当に昔、この匂いがすぐそばにあったような……？

「おにい……ちゃん」

　可憐にそう言われ、僕は我に戻った。

　そして顔を赤くしたまま、呟くように可憐は言う。

「可憐……恥ずかしいよ」

　その言葉に、胸が高鳴る僕。

　そしてつい考えてしまう。

　僕はやっぱり、可憐のことを……。

　妹としてではなく……、一人の女の子として……。

　可憐の横顔を見てみる。

　すると可憐は恥ずかしいそうにカメラのある位置を見ていた。

　そして、こちらの目線に気付いたのか、少し顔を俯かせながら……

「あんまり、見ないでほしいな……」

　と小さな声で呟く。

　僕はそんな可憐を見てどうにかなりそうだった。

　しかし、そのどうにかなりそうな所をプリクラのカウントが止めてくれた。

「お兄ちゃん、カウントが始まりました」

　そう可憐は言うが、やはりまだ緊張しているのか、顔が強張っている。

　僕は少しだけ手に力を込め、可憐をもっと抱き寄せる。

「お、おにいちゃ……」

　僕は可憐に、前を向いて、と一言呟くと、可憐は顔を赤くさせながらも前を向いた。

　そして……